アドネットワークの今後が面白い。
米国調査会社ComScoreの調査によると、
この記事(佐瀬さんだっ!)の米国のアドネットワーク(2008年4月度)のリーチUU(Unique User)数と2007年10月の調査を比べてみると、かなり順位変動していることが分かる。ただその中身として市場自体は伸びているので吸収合併によるネットワークの統合やシェアの取り合いという推測ができます。
特に上位では、Platform-A(AOL系でいきなり突出した感があるけど、買収だかなんだかのネットワーク統合が激しい)がありますが、個人的には以前広告モデルを記載したAdvertising.comの健闘がすばらしい。と思う。
そして、上記の米国アドネットワークと日本ものを比べると、そのUU数の違いが明確です。
記事の中にもありますが、もちろんインフラが整っていないということはありますが、「その原因は?」と考えてみると、米国と比べても特異な日本特有の代理店機能に目がいきますが、まず米国の特徴の一つは広告主主導でマーケットが成り立っているということ。
アドネットワークを持っているメディアやメディアレップがオンライン上で直接取引をしており、広告代理店には集約されづらいために、分散しているということが考えられます。
その結果、米国ではRightMediaやAdBriteなど代理店を介在しないアドマーケットプレイスが成功していますね。
個人的にはセプテーニが秋口から予定しているアドマーケットプレイスの成功が日本市場の方向性を伺う一つの指標になると思っています。(このサービスに米国Pubmaticみたいなアドネットワークの選別システムを取り入れると利便性高まりそう。)
これが日本では、広告主よりもそれを集約している代理店が主導しているため、構図が変わってきます。電通、博報堂、オプト、CA,セプテーニといった大手ネット広告代理店に集約されるので、ネットワーク、媒体も大きなものに集約されます。その結果、環境成長が鈍化し、日本のアドネットワーク、その要素である広告媒体自体が成長していないという風にも見れますね。それがメディア初期から存在している媒体[Yahoo!」が断トツトップの要因にもなり、日本の広告市場成長の鈍化要素にもなっている。
本当は代理店の下についているメディアレップのネットワーク(特に大手CCI,DAC)が更に拡大を先導しやすいはずでさせないとダメなはずなんですけどそうなっていない。なので媒体が直接ネットワークを作り始めている(レップ化している)という本来次のフェーズに起こることが起こってきている。
やはり佐瀬さんと同じように、今後日本でアドマーケットプレイスが発展していくためには、
①テクノロジーを交えた新たしい広告技術の差別化
②バーティカルネットワーク化
これが大事になってくると思われます。
①は行動ターゲティング、リターゲティングはもちろん、新しい広告技術(例えば画像連動型広告とか)
で付加価値を見出すこと
②はいわゆる垂直型ネットワークのことですが、UU数、リーチ数では大手ネットワーク媒体には敵わないので、1ジャンルであれば大手ネットワーク以上といった専門ネットワーク化すること。量よりも質ということですね。ただ、いずれ量は質に転化するし、米国でもはやりだしてきたし有名媒体の日本進出も始まる様なので、早めに手を打たないといけないですね。
※佐瀬さん、こそっと引用させていただきました。
PS.一つ、日本のネット広告市場で代理店がアドネットワークやマーケットプレイスを作りにくい理由として、GoogleやYahoo!(正確にはOverture)の存在があるのではないかと考えています。
現在リスティング市場が非常に大きくなっていますが(実際、売上の何割も占めています)、その大手がGoogleとOvertureです。このリスティング広告がないと、代理店は成り立たないので下手にお上に反する動きが出来ないわけですね。ここでお上というのはもちろん、Google,Oveture。つまりアドマーケットプレイスを代理店が作るというのは、現在、アドネットワークの中核であるこの2社の利益に反するということ。刺されかねない。。
しかし考えてみると広告主が集約される代理店がネットワークやマーケットプレイスを作るのが差別化には手っ取り早いはずなのに。あとはD社の影響力ですかね。
という仮説も面白いかなと。
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