CNET Japan 中のこの記事
この記事の主題は
「モバイル広告市場について業界関係者からヒアリングをしたところ、2007年のモバイル広告市場の現状認識に相違があった。「急激に伸びている」という意見と、「一服感がある」という意見の2つに分かれたのだ。背景に何があるのか。」
という、伸びている、そうでもないという二つの意見に分かれているその内情を探るというものだと思いますが、
これに対して、私も周りからの意見を大別すると二つに分かれるなぁと感じていたので思うところを述べてみたい。
まずは背景理解として、記事の中にもあるように対象事業者の立ち位置を理解しないと、適当な話は出来ないのですが、僕自身モバイル広告を扱う大小両方の代理店にいた(今もいる)のでその観点からということで。
本当は以下のようなことを理解しないといけないんですけどね、上記のように僕の観点から。
「ある1つの市場に対して、事業者間で見解が異なる場合、各事業者が市場においてどのような立ち位置にあり、競合他社と比較してどのようなポジショニングに
あるかということを理解しておかないと、調査結果は現実とは大きな乖離をもたらす危険性をはらむこととなる。逆にこのことを理解すれば、複雑な市場構造を
読み解くことの大きな助けとなる。」
↑今回これは無視。
まず市場を見てみると、2008年には1000億を超え、2011年には2500億を超えと成長していることが分かります。
代理店という立場は広告主とメディアを仲介している、いわゆる両方の橋渡し的な立ち位置なので、最先端の現場からその動きを把握できます。
その代理店から市場を見てみると、
大枠ではこの業界動向にもあるようにもちろん伸びていくんだろうなぁというふうに感じます。
なぜかというと、以前のPC同様モバイルのインフラが整い、モバイル特性の一人一台持っていて、広告主側からすれば最適なマーケティングツールという風に見れるので。今後モバイルへの広告出稿が進んでいくのは間違いない。
しかし、現状見ると、ネット(PC)に出稿している一部の広告主は積極的にモバイルへも進んではいるが、そうではない広告主がいまだ多い。今までは広告インフラが出来上がっていなかったから。つまりこれから加速するという考えがある。
しかも一部の広告主は数あるモバイル取り扱い広告代理店のそれまた一部での取り扱いに集中している。なので、多くの中小代理店はモバイル広告取り扱いは実は進んでおらず、先行き不透明感にさらされています。
加えて特に広告出稿が進んでいないモバイル広告市場の大半を支えているのは、金融や出会い系の広告主ということもいえる。なぜか?すべての根源ですが、広告を出すことで広告主が儲かるから。そのために広告があります。
出会い系などは通常の代理店は扱いませんが、それを扱う表に出てこない代理店がいる。その売り上げは一つの
市場を作ってしまうほどに大きい。通常の代理店は恩恵は受けませんが、それを扱う代理店もある。なので実感はないが、実際の数値データではモバイル広告市場「全体」は伸びている。
これを解消するには、どの代理店でも扱える商材ではダメ。先行者または総合的に扱える大手代理店が有利だから。例えば、昨今のリスティング広告やSEOと呼ばれる新しい手法が出てきた際に、いち早くその専門代理店のような形であれば、それはイコールその代理店特有の強み、価値になる。現状アウンコンサルティングやフルスピードはその業界のTOPにい続けています。
現状は上記のように、大手の一部の代理店はモバイル取り扱いが増え、市場が大きくなっていると感じるが、中小代理店は、果たしてそうなの?売り上げ伸びないけど。という感じになっている。
これが二極化の原因にあるような気がする。
今後は特にPC出稿のクライアントのモバイル出稿が進むとも思われますが、大きなインパクトとしては、ネット出稿すらない大手広告主(いわゆるナショナルクライアント)の出稿がまずPCに進んでいく。TVや新聞に偏っていたのが、ネット分も増えていくということ。そしてPCからモバイルへの出稿、それはPCで「インターネット広告」の効果を実感した広告主が、インターネットを使えて更に肌身離さず持っているモバイルでのマーケティングの興味が強くなっていくから。
しかし、先ほどのようにどの代理店でも扱えるモバイル内の広告形態では大手広告代理店への出稿に偏っていくだけ。中小の代理店はその恩恵にはそれ程あずかれない。
そこで台頭してくる代理店の共通部分はおそらく、新しいマーケティング手法。昨今のモバイルでの行動ターゲティングやアドマーケットプレイス。これはクライアントのニーズを満たし、更には新しい広告手法でもあり、要は未開拓市場。
大手の代理店は広告主を握れているので、それでいいかも知れないけど、中小代理店は新しい市場を作っていかないといけない。それをチャンスと捉えるか、どう捉えるかは自由ですが。
逆に大手代理店でこれが出来ると強い。
つまりまとめると
<市場現状>
広告市場は伸びているが、実感が少ない
<理由>
そもそもこれから伸びてくる
一部の大手広告代理店での取り扱いがメイン
金融や出会い系などの広告主が多く一般代理店は扱えない
<今後想定>
ナショナルクライアントの出稿が加速、全体的にも伸びる
が、一部の大手代理店での取り扱いがメイン
中小広告代理店は新しい広告手法や市場を作らないと成長しない
とまぁあくまで個人的な意見で、業界全体を見渡せているわけでもないので、こういう見方もあるよ程度な感じで捉えてもらえれば。
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