ざっくり分かるファイナンスに覚えておきたい項があったので備忘録。
自社株所得にしても配当にしても、本来はこれから伸びていこうという会社が行うオペレーションではありません。
成長ステージにあるときは、株主にしてみれば、「配当をもらっても、あなたに再投資するわけだから税金のムダ。だから、配当の分を内部で再投資してほしい」というのが本音でしょう。「お金はそのまま預けておくから、もっともっと株価を上げて欲しい。配当ではなくキャピタルゲインで報いて欲しい」ということですね。
ですから、「無配」だからといええ、必ずしも株主を軽視しているわけではないのです。その意味でマイクロソフトが2003年まで無配を貫いたのは、正しいことだったといえます。
ところが、マイクロソフトはその後、自社株買いや特別配当をするようになりました。投資家は、それを「マイクロソフトはもはや成熟期に入ってしまったのかな。有望な投資案件がないのかもしれない」というネガティブなシグナルに受け取りかねない危険があります。
つまり、急激に伸びてきた会社が、配当や自社株所得をはじめると、そう取られる可能性が出てくるわけです。そのためにも、株主への資金還元については、企業のライフサイクルステージに応じて行う必要があります。
これは利益サイドに強い話で、不利益要素もほかにあると思うけど、すごく分かりやすい。
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